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キーボードにばかり向かっている研究者読むべし |
素人には難しい本ですが、原点を忘れかけた玄人にも恐ろしい本でしょう。
研究法はすなわち実験法であることが良くわかります。
これは表層的な意味ではありません。
関係性を記述するだけなら洗練された数式の中の定数は最後までギリシャ文字のままで良いわけです。
しかしその定数を実体として確定しようとするならば、そこに実験の精度の問題といった古典的なテーマのみならず、
なにを測定しているのかといった根本的な問いが常に必要で、
それこそが研究のパラダイムを支えているのだということが読み取れます。
「神は細部に宿る」という引用もされていますが、本質に迫るべき細部が、
ここまでマクロな手仕事に依存している事実を活写した本は見たことがありません。名著です。
ただタイトルの「標準」はいかがなものでしょうか。神が宿る細部に迫る技術が、
研究者のかなり私的な情熱に支えられているものだとしたら、その方法は多くあるわけで、
ここは開き直って「光触媒極私的研究法」としたら良かったのに。
でも追試を拒否しているようでやっぱりまずいか。